ファクスする
電話回線やインターネットを経由して、読み取った文書を相手先のファクス機器に送信します。本機は以下の方法でファクスを送信できます。
通信のしかた
G3ファクス
アナログ電話回線を使用した標準的なファクス規格です。ファクス対応電話機や複合機にファクス番号で送信します。
IP-ファクス
IPネットワーク(イントラネット)を経由し、IPアドレスやホスト名を指定して対応機器に送信します。
インターネットファクス
メールサーバーを使用してインターネット経由で送信します。メールアドレスを指定して、対応機器やパソコンに送信します。
パソコンから本機にデータを送信し、印刷することなくファクス送信もできます。
ファクス機能のない複合機からも、ファクス機能がある複合機を経由してファクスを送信できます。
読み取り/送信のしかた
原稿ガラスや自動原稿送り装置(ADF)で読み取った文書は、本機のメモリーに蓄積してから送信します(メモリー送信)。メモリー送信では、リダイヤルや同報送信といった便利な機能が使用できます。
リアルタイムで相手が受信できていることを確認しながら送信したいときは、直接送信が便利です。G3ファクスとIP-ファクスで使用できます。
それぞれの特長を知って使い分けることで本機のファクス機能を活用し、通信時間やコストの削減、セキュリティーの強化を実現できます。
各通信方式やメモリー送信の特長をより詳しく確認するには、以下を参照してください。
G3ファクス
相手先のファクス番号を指定し、一般電話回線(公衆電話網)を経由して送受信します。相手先がIP-ファクスやインターネットファクスに対応していないときもファクス送信できます。
外付け電話機を接続すれば、相手先と通話することもできます。
電話会社との契約や相手先との距離によって、所定の通話料金が発生します。
増設G3回線を使用しているとき、最大3通信まで同時に通信できます。ただし、直接送信では複数回線での通信はできません。
IP-ファクス
IP-ファクスに対応している機器同士を、IPネットワーク(TCP/IPを使用しているネットワーク)を経由して直接つなぎ、文書を送受信します。接続環境に応じて、IPアドレスやホスト名、エイリアス電話番号などで相手先を指定します。IP-ファクスに対応している他社製のファクスとも送受信できます。
通話料が発生しないため、通信費を削減できます。
アナログ電話回線よりも高速に通信でき、メールサーバーを使用しないため、タイムラグなく送受信できます。
社内イントラネットなど、同じLAN内での通信に適しています。
VoIPゲートウェイでIPネットワークと公衆電話網を中継すれば、G3ファクスとも文書を送受信できます。
本機のIP-ファクス機能は、ITU-T勧告T.38に準拠しています。
電話回線に接続されたゲートウェイを経由してG3ファクスに送信するときは、G3ファクスの加入者番号を指定します。たとえば、宛先のファクス番号が03(1234)5678のときは、「5678」と指定します。ゲートキーパー/SIPサーバーを使用しないでIP-ファクスからG3ファクスに送信するときは、ゲートウェイの登録が必要です。
エイリアス電話番号とは、ゲートキーパーに登録される番号で、ゲートキーパーが接続されたネットワーク内で有効な電話番号のことです。
ゲートウェイ-IPアドレス変換テーブルに設定する電話番号桁数には運用の注意が必要です。誤送信の原因になります。
IPv6環境では本機のアドレスを複数割り当てることができますが、IP-ファクスを受信できるアドレスは1つだけです。
NTT の次世代ネットワーク(NGN)網を使用してIP-ファクスの送受信ができます。
インターネットファクス
インターネットファクス対応機同士で、インターネットを経由して文書を送受信します。相手先はメールアドレスで指定し、文書はメールの添付ファイルとして送信されます。インターネットファクスに対応している他社製のファクスとも送受信できます。
パソコンのメールアドレスにも送信できます。
通話料が発生しないため、遠距離の相手先に送信するときは特に通信費を削減できます。
送信するメールを暗号化したり、デジタル署名を添付したりできるため、より安全に送信できます。
本機のインターネットファクスでは、以下のような機能を使用できます。
インターネットファクスを相手先が受信できたかどうかを確認できます。相手先の機器の性能に関する情報も受け取れ、次に同じ宛先に送信するときには相手先の性能に合わせて送信できます。
インターネットファクスで同報送信するときに、ToではなくBccで送信できます。
相手先のドメインを直接指定して送信できます。SMTPサーバーを経由する時間のロスがなく、サーバーにも負担をかけません。
メモリー送信の特長
読み取った原稿をいったん本機のメモリーに蓄積してから送信します。枚数の多い原稿を送信するときは、すべての読み込みが終わるのを待たずにダイヤルし、送信を開始します(クイックメモリー送信)。
以下のような便利な使いかたができます。
相手先が話し中のときや、送信エラーとなったときは、5分間隔で5回まで自動リダイヤルします。
送受信中やレポートの印刷中にも原稿の読み取りができるので、次のファクスをすぐに送信できます。
複数の相手先に送信するとき、原稿の読み取りが一度で済みます(同報送信)。
読み取りだけ済ませ、指定した時刻に指定して送信できます。
複数の相手先に送信するときに、注意を促すメッセージを表示します。
メモリー送信とクイックメモリー送信
クイックメモリー送信は、原稿を読み取りながら相手先を呼び出し、送信する方式です。
以下のときは通常のメモリー送信で送信します。
相手先が話し中などでつながらなかった
本機がほかの相手先と通信中
原稿ガラスに原稿をセットして送信した
複数の相手先を指定した
送信時刻を指定した
[プレビュー]を選択した
メモリー残量が少ないと、通常のメモリー送信になることがあります。通常のメモリー送信になるときのメモリー残量の目安は、オプションの有無によって異なります。
クイックメモリー送信中に[ストップ]を押したり、原稿がつまったり、メモリー残量がなくなったりすると、送信は終了して通信結果レポートが印刷されます。蓄積した文書は消去されます。
クイックメモリー送信を使わないで、すべての原稿をメモリーに蓄積してから送信するように設定を変更できます。
停電または電源コンセントが抜けた状態で約1時間経過すると、ファクスのメモリーに蓄積されている文書はすべて消去されます。文書が消去されたときは、主電源を入れると「電源断レポート」が印刷され、消去された文書の一覧を確認できます。