1. 作成手順
1.1. テンプレートの作成
PDFフォームとして使用したいテンプレートを作成します。
-
Excel®やPowerPoint®等のツールを使って、
RICOH eWhiteboard 4200(以下eWhiteboard)に表示させたいテンプレートを作成し、PDFに変換します
1.2. Adobe Acrobat Proでのフォーム設定
作成したテンプレートにフォームの設定をおこないます。
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Adobe Acrobat Pro®で作成したテンプレートを開き、「ツール」から「フォームを準備」(下図アイコン)を選択します
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下図のような画面が表示されるので、「開始」を選択します
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テキストフィールドが自動的に作成された箇所を確認します
テンプレートは一例ですが、
以下の赤斜線部のようにテキストフィールドが自動的に作成されます(全く作成されない場合もあります)。 -
必要な箇所にテキストフィールドを作成します
Adobe Acrobat Pro上部にあるメニューの中から「テキストフィールドを追加」(下図の赤枠内アイコン)を選択し、
テキストフィールドを作成したい箇所でドラッグして枠を作成します。設定例
[補足]
-
eWhiteboardにPDFフォームをアップロードして筆記する際に
テキストフィールド内に書かれた文字を認識しようとします。
例えば、上図の「発」列にある枠に筆記したとき「受」列まではみ出てしまうと、
正しく認識されません(「受」列にはみ出たものだけ認識してしまいます)のでご注意ください。 -
eWhiteboardにPDFフォームをアップロードして筆記する際、
テキストフィールド内に書いた文字をテキスト変換すると、
作成したテキストフィールド内に収まるようにテキストサイズを自動調整するようになっています。
テキストフィールドの横幅に対して筆記文字数が少ない場合、
テキストサイズはテキストフィールドの高さ相当になります。 -
フィールドを複数選択することで、
右側に表示されるメニューを使ってテキストフィールドのサイズ調整/位置揃えができます。
このとき、濃い青色の枠線で選択されたフィールドが親となります。
-
-
テキストフィールドに属性名を設定します
属性名の詳細については別紙を参照してください。
作成したテキストフィールドをダブルクリック、または右クリックして「プロパティ」を選択すると、
「テキストフィールドのプロパティ」が表示されます。プロパティの「名前」を以下のように設定します。
を入力します(例:
fill_1$VAlignC$$HAlignL$
)。
※同じ文字列(例えば fill_1と定義された枠)が複数存在する場合、PDFフォームが正しく動作しませんのでご注意ください。
また「読み取り専用」にチェックを入れると、フィールド内のフィールドオブジェクトを編集することはできなくなります。 CSV出力する場合は、属性の前もしくは後に出力設定を記載します。
記載の仕方は「Adobe Acrobat ProでのCSV出力設定」の項目を参照してください。 -
必要に応じて、オプション設定を行います
前項の「テキストフィールドのプロパティ」内、
「オプション」タブにて、「複数行」にチェックを入れるとフィールド内で折り返し表示を行います。また「表示方法」タブのフォントサイズも任意に選択できます。
フォントサイズを自動にすると、テキストフィールド内におさまるように自動調整されます。 -
テキストフィールド全てに名前を入力すれば、PDF フォームは完成です
名前をつけて保存し、eWhiteboard にアップロードすれば内容が反映されます。
1.3. eWhiteboardクラウドサービスサイトでCSVファイルを取得するための設定
作成したテンプレートにフォームの設定をおこないます。
「テーブル名(Table)」、「テーブルの行番号(Row)」、「テーブルの列番号(Column)」で、
出力先のCSVファイル名とデータの出力位置を指定します。
「テーブルの方向」、「テーブルの項目名称」で、PDFファイル上のテーブルの方向と項目名称を指定します。
クラウドサービスサイトでのCSVファイル取得方法については、クラウドサービスサイト操作手順書を参照してください。

※同じ文字列(例えば fill_1と定義された枠)が複数存在する場合、PDFフォームが正しく動作しませんのでご注意ください。
[補足]
-
出力されるCSVファイル名称は「元のPDF名+_〇〇〇.csv」となります。
〇〇〇は「テーブル名」が反映されます。 -
テーブルの方向(Row/Column)・テーブルの項目名称(ヘッダー名)については
テーブルの2行目以降であれば省略可能です。

以下具体例で説明します。
1.3.1. 項目名称が1行目にあり、情報を下方向に追加する表の場合(テーブルの方向:Row)

セル | フィールド名 | 値 |
---|---|---|
1 |
field_1@Table=患者一覧,Row,氏名@@Row=1@@Column=1@ |
花子 |
2 |
field_2@Table=患者一覧,Row,性別@@Row=1@@Column=2@ |
女 |
3 |
field_3@Table=患者一覧@@Row=2@@Column=1@ |
太郎 |
4 |
field_4@Table=患者一覧@@Row=2@@Column=2@ |
男 |
1.3.2. 項目名称が1列目にあり、情報を右方向に追加する表の場合(テーブルの方向:Column)

セル | フィールド名 | 値 |
---|---|---|
1 |
field_1@Table=患者一覧,Column,氏名@@Row=1@@Column=1@ |
花子 |
2 |
field_2@Table=患者一覧,Column,性別@@Row=2@@Column=1@ |
女 |
3 |
field_3@Table=患者一覧@@Row=1@@Column=2@ |
太郎 |
4 |
field_4@Table=患者一覧@@Row=2@@Column=2@ |
男 |
Adobe Acrobat Proでのフォーム設定を実施している場合は、その設定の前もしくは後に以下に記載する設定を追加してください。
1.3.3. コマンド例
csv出力時のファイル名 : 元のファイル名_○○○.csv
「上下中央揃え、左揃え」という枠を設定したい場合のコマンドは、
fill_1@Table=〇〇〇,Row,△△△@@Row=1@@Column=1@$VAlignC$$HAlignL$
もしくは
fill_1$VAlignC$$HAlignL$@Table=〇〇〇,Row,△△△@@Row=1@@Column=1@
になります。
2. 別紙
2.1. 属性名
項目 | 項目 | 属性名 | 省略時 | 備考 |
---|---|---|---|---|
左右位置 |
左揃え |
$HAlignL$ |
左揃え |
|
中央揃え |
$HAlignC$ |
|||
右揃え |
$HAlignR$ |
|||
上下位置 |
上揃え |
$VAlignT$ |
中央揃え |
|
上下中央揃え |
$VAlignC$ |
|||
下揃え |
$VAlignB$ |
|||
マスク |
マスク表示 |
$Mask$ |
- |
|
強制変換 |
数字 |
$Numerics$ |
- |
|
実数 |
$RealNumber$ |
Ver.1.25以降で動作します |
||
英字 |
$Alphabetic$ |
|||
英小文字 |
$AlphabeticLower$ |
|||
英大文字 |
$AlphabeticUpper$ |
|||
記号 |
$Shape$ |
認識するもの: |
||
ひらがな |
$Hiragana$ |
|||
カタカナ |
$Katakana$ |
|||
性別 |
$Gender$ |
認識するもの: |
||
信号 |
$TrafficLight$ |
認識するもの: |
||
トリアージ |
$Triage$ |
Ver.1.13以降で動作します |
2.2. コマンド例
例えば、「右揃え、下揃えで、数字に強制変換」、という枠を設定したい場合のコマンドは以下になります
fill_1$HAlignR$$VAlignB$$Numerics$
3. FAQ
質問 | 回答 |
---|---|
PDFフォームの強制変換ルールを新しく登録したい |
強制変換のルールについて、お客様ご自身での登録はできない仕様になっています。 |
フォーム上に書き込む文字の大きさを調整したい |
市販ソフト(Adobe Acrobat Pro等)でテキストフィールドの設定によって文字サイズを変更することができます。但し、文字数が多い場合にはそれに応じてフォントサイズが変更されます。 |
①と書いても変換されません |
現状、丸で囲まれた数字の変換については対応しておりません。 |
フォーム上に書き込む文字に色を付けたい |
現状は対応しておりません。 |
手書き入力後のPDFフォームをPC等にダウンロードする際、エクセル形式に変換したい |
市販ソフト(Adobe Acrobat Pro等)でファイルの形式変換が可能です。 |
本体で表示マスク機能の有効・無効を設定したい |
現状は対応しておりません。 |