使用説明書RICOH IP 6530

プリンタージョブ認証

プリンタージョブ認証とは、プリンターのジョブにユーザー認証をする機能です。

ユーザー認証に対応しているプリンタードライバーはRPCS、RPDL、PCL、RP-GL/2、PostScript 3です。PostScript 3はユーザーコード認証だけ対応しています。

使用できるプリンタージョブの認証レベルは以下のとおりです。セキュリティー強度は「すべて」が最も高く、続いて「簡易(限定)」、「簡易」の順です。

[すべて]

すべてのプリンタージョブとリモートからの設定に認証チェックをするときに選択します。

ユーザー認証に対応していないプリンタードライバーまたは装置からは印刷できません。

認証機能に対応していない環境からも印刷するときは、[簡易(限定)]または[簡易]を選択してください。

[簡易(限定)]

範囲を限定して[簡易]のプリンタージョブ認証をするときに選択します。

設定した範囲内は認証機能に対応していなくても印刷できます。それ以外は認証機能への対応が必要です。

[簡易]の範囲をUSB接続とユーザーのIPv4アドレスで設定できます。IPv6アドレスの範囲は、ネットワーク上のパソコンからWebブラウザーを使用して設定できます。(本機に搭載されているWeb Image Monitorという機能を利用します。)

[簡易]

印刷を指示するプリンタードライバーか装置が特定できないときや、プリンターの印刷に認証を必要としないときに選択します。

ユーザー認証に対応していないプリンタードライバーからのジョブや認証情報がないリモート設定は、認証チェックをしないで処理します。

ユーザー認証に対応したプリンタードライバーからのジョブと認証情報があるリモート設定に認証チェックをします。

ユーザー認証をしなくても印刷できるため、想定外のユーザーから不正に使用されることがあるので注意してください。

プリンタージョブの種類

プリンタージョブ認証のレベルとプリンタージョブの種類の組み合わせによっては、正しく印刷されないことがあります。使用している環境に合わせて設定してください。

ユーザー認証を設定していないときは、すべての種類のプリンタージョブで印刷できます。

プリンタージョブの種類

  1. 本機用のRPCS、RPDL、PCL 6、RP-GL/2プリンタードライバーの設定で、「ユーザー認証」をチェックしたとき

  2. 機種共通のプリンタードライバーの設定で、「ユーザー認証」をチェックし、さらに「暗号化する」をチェックしたとき

  3. 機種共通のプリンタードライバーの設定で、「ユーザー認証」をチェックしたとき

  4. 本機用のRPCS、RPDL、PCL 6、RP-GL/2プリンタードライバーまたは、機種共通のプリンタードライバーの設定で、「ユーザー認証」をチェックしないとき

  5. PostScript 3プリンタードライバーでユーザーコードを入力したとき

    他機種のユーザー認証に対応していないRPCSプリンタードライバーから、本機で代行印刷をしたときも同様です。

  6. PostScript 3プリンタードライバーでユーザーコードを入力しないとき

    他機種のユーザー認証に対応していないRPCSプリンタードライバーから、本機で代行印刷をしたときも同様です。

  7. RTIFFなどのプリンタードライバーを使用しないプリンタージョブ、PDFをLPR印刷したとき

  8. PDFをftp印刷したとき

    ftpでログインしたユーザーIDとパスワードで個人認証されます。ただし、ユーザーIDとパスワードは暗号化されません。

  9. Ridoc Desk NavigatorからRTIFFダイレクトプリントで印刷する場合に、認証をしないとき

  10. Ridoc Desk NavigatorからRTIFFダイレクトプリントで印刷する場合に、認証をするとき

    認証にはユーザー名・パスワード・暗号鍵の3つが必須です。

組み合わせ一覧

プリンタージョブ認証:

ドライバー暗号鍵:暗号強度設定

簡易:

簡易暗号

簡易:

DES

簡易:

AES

すべて:

簡易暗号

すべて:

DES

すべて:

AES

プリンタージョブの種類1

C*1

C*1

C*1

C*1

C*1

C*1

プリンタージョブの種類2

C*1

C*1

X*1

C*1

C*1

X*1

プリンタージョブの種類3

B

X*1

X*1

B

X*1

X*1

プリンタージョブの種類4

X

X

X

X

X

X

プリンタージョブの種類5

A

A

A

B

B

B

プリンタージョブの種類6

A

A

A

X

X

X

プリンタージョブの種類7

A

A

A

X

X

X

プリンタージョブの種類8

B

B

B

B

B

B

プリンタージョブの種類9

A

A

A

X

X

X

プリンタージョブの種類10

C*1

C*1

C*1

C*1

C*1

C*1

*1 ユーザーコード認証時はBになります。

A:ユーザー認証に関係なく印刷できます。

B:ユーザー認証が通れば印刷できます。ユーザー認証が通らなければ印刷できません。ジョブがリセットされます。

C:ユーザー認証が通り、プリンタードライバーと本機の[ドライバー暗号鍵]が一致すれば印刷できます。一致しなければ、ジョブがリセットされます。

×:ユーザー認証に関係なく印刷できません。ジョブがリセットされます。

セキュリティー強化機能を設定する

authfreeコマンド

プリンタージョブ認証で[簡易(限定)]を選択しているとき、telnetのauthfree コマンドでプリンタージョブ認証から除外する対象を設定できます。

telnetにログインするときのログインユーザー名とログインパスワードは管理者へ問い合わせてください。

現在の設定の表示

msh> authfree

  • プリンタージョブ認証が[簡易(限定)]に設定されているときに表示できます。

IPv4アドレスの設定

msh> authfree "対象ID" range "始点アドレス" "終点アドレス"

IPv6アドレスのレンジでの設定

msh> authfree "対象ID" range6 "始点アドレス" "終点アドレス"

IPv6アドレスのマスクでの設定

msh> authfree "対象ID" mask6 "基準アドレス" "マスク長"

USBの設定

msh> authfree usb {on|off}

  • USB接続をプリンタージョブ認証から除外するときに「on」にします。工場出荷時の設定は「off」です。

設定を工場出荷値に戻す

msh> authfree flush

補足

  • IPv4とIPv6の対象IDは、それぞれ1~5の5件が設定できます。